事業で大きな利益が出るのは嬉しいことではありますが、利益に対しては税金がかかるため経営者としては複雑な気分になる人が多いのではないでしょうか?
だからといって利益を出さない方がいいと考えるはおかしな話なので、利益を出した上で上手に節税をする意識が必要です。
この回では利益が大きく出た時に検討すべき節税方法を見ていきますので、ぜひ参考になさってください。

■テナント賃料を前払いする

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「短期前払い費用」としてテナントの家賃を一年分前払いすると、その費用を当期分の経費として計上できます。
まとまった額が計上できるので利益を圧迫して節税になります。
テナント料以外にも法人向けの生命保険や損害保険なども同様の考え方ができるので、年払いにできそうな費用を考えてみてください。
テナント家賃や保険料などはいずれ支払いが必要になるものですから、まとめて払っても個別に払っても損得に影響はなく、節税作用だけを発生させられます。

■役員報酬の増額

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役員への報酬は原則として経費扱いにすることができませんが、一定の条件を満たすことで損金算入ができるようになります。
損金算入できる役員賞与には定期同額給与と事前確定届出給与があり、前者は税務署への届け出などは不要ですが、毎月決まった額の給与を報酬として支給する場合に損金算入が可能になります。
定期同額給与に変更できるのは決算後3か月以内と制限があるので難しいこともあるでしょう。
その場合、税務署への事前届け出が必要ですが、事前確定届出給与を用いることで損金算入が可能です。
ただしこちらは税務署に届け出た内容と相違のない支給でなければならず、支給日が一日でもズレたり、支給額が一円でも違うと損金に算入できなくなるので注意が必要です。

■生命保険に加入する

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まだ法人向けの生命保険に加入していないようであれば検討してみましょう。
不要な保険を購入するのは考え物ですが、必要な保険であれば費用を払うことに意義を持てます。
保険料の一部は損金に算入できるので節税作用があります。

■決算賞与の支給

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雇用する従業員に対してのボーナスとなる決算賞与を支給するものです。
企業としては従業員のモチベーションを高める必要経費として考えることができ、損金算入可能なので節税効果も同時に得られます。
特に決算期に大きな利益が生じたシーンで効果を発揮するのでぜひ検討しましょう。
決算賞与の支給が来期にずれ込む場合でも、一定の条件を満たすことで当期分の損金に算入することが可能です。
以下の二つの要件を満たせば支払いがずれ込んでも当期分の損金計上ができます。

・従業員全員に対して、支給額を同時期に通知していること
・決算から1ヵ月以内に通知した金額を全従業員に支払うこと

支給にかかる資金の用意に時間がかかる場合は以上の操作を行い実施してください。

■宣伝広告を増やす

宣伝広告費の経費計上は大きな制限がかからないのですぐに実施できます。
実務的にも企業側で大きな手間を取ることもありませんし、CM会社等に丸投げすることができます。
もちろん、凝ったPRを自社で企画してアピールすることもできるので、その時々の状況に合わせてスピード感や費用感を調整して実施できます。
地元の新聞やフリーペーパーなどへの出稿もできますし、ラジオ・テレビCM等のオーソドックスな手法の他、資金に余裕があればスポンサーとして資金を提供したうえで、自社の番組を持つこともできます。
例えばタレントの方をMCに迎えたラジオ番組を一つ持ち、5分番組、10分番組などの枠を買って、自社の取り組みや特徴を伝え、市民とのつながりをアピールするなどの工夫ができます。
垂れ流しにされる一般的なCMなどと比べて訴求力が非常に高くなります。

■健康診断を実施する

企業の原動力となってくれる従業員の健康維持につながるよう健康診断を実施するのもいいでしょう。
費用を会社が負担すれば経費計上が可能ですが、福利厚生として実施する必要があるので、特定の社員や特定の部署などに限定せず、全社員を対象にする必要があることに留意しましょう。
特定の社員だけの恩恵にしてしまうと福利厚生にならないので、健康診断は平等性を意識して全従業員に実施の機会を与えるようにしてください。

■固定資産や在庫の除却損を計上する

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固定資産や古い在庫を処分するとその費用を損金に計上できます。
もはや売れる見込みのない在庫や利用しない固定資産があれば処分してしまうと管理の手間もかかりませんし、保管のための余計な経費もかけなくて済むようになります。
除却損として計上できますが、処分したことを証明できる資料を用意しておき、税務署に聞かれた時に答えられるようにしておきましょう。

■減価償却が終わった資産を買い替える

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減価償却期間が終了した資産は経費計上の余地がなくなるので買い替えを検討しましょう。
その際は中古資産を購入することでまとまった経費計上が可能です。
例えば新車を購入すると法定耐用年数のルールに従って毎年決まった額ずつ小分けの減価償却をすることになりますが、中古車を購入すると一気に減価償却が可能なので、大きな利益が出た時に対応しやすいので検討してください。

■中小企業退職金共済制度を利用する

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従業員への退職金の支払いに余裕がない中小企業が加入できる制度で、一定の掛け金を支払うことで従業員への退職金の支払い原資を用意できるものです。
掛け金は損金計上が可能で節税作用がある上に、国から一定の助成も受けられるのでさらにお得です。
短期的な節税だけを意識すると運用が難しい面が出てきますが、従業員への退職金の準備に不安を感じている場合は節税と退職金準備の両面に対処できるメリットがあります。

■企業型確定拠出年金制度を利用する

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本制度は企業の従業員が退職した後の生活を支える年金制度の一種です。
こちらも短期的な節税だけを考えるには使い勝手は良くありませんが、従業員に対する支援策の一つとして加入を考えるならば意味が出てきます。
掛け金は損金に計上でき、一般の従業員だけでなく役員の加入も認められています。
ただしデメリットとして、加入者自身で掛け金の運用が必要なので、資金運用の知識が無いとメリットを享受するのは難しいでしょう。

■経営セーフティ共済を利用する

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正式名称は中小企業倒産防止共済制度といい、取引先の倒産という事態に際して一定の資金を無担保、無保証で借り入れることができる制度です。
連鎖倒産を防ぐ役割があり、掛け金は損金算入できます。
中途解約には一定の制限がかかるので短期的な運用は難しいですが、倒産回避の安全弁の用意と節税を両立できるので検討できます。

■消耗品を買い替える

事務用品などの消耗品はまとめて買い替えることで利益の圧縮につながります。
システム的に細かい制限が付かないので、他の節税手段と合わせて実施しましょう。

■まとめ

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この回では大きな利益が出た時に検討できる節税方法について見てきました。
利益はそのままだと丸々課税対象にされるので、自社にとって有益な出費として活用するのがお勧めです。
無駄遣いをするのではなく、効果的な宣伝広告を行いさらなるリターンを狙うなど、有効な出費となるように考えてくださいね。