資金調達方法6選

個人事業は法人運営と比べてこまわりが利く自由性がある一方、資金調達の面ではかなり不利になります。
この回では個人事業主が利用できる資金調達法を横断的に見ていきますので、参考になさってください。

一般的な銀行融資

銀行融資

個人事業主でも銀行から融資を受けることは不可能ではありません。
それまでの経営実績が認められていて、銀行との関係が良好であれば融資を引き出すことは可能です。
ただし金額は低めに抑えられることがほとんどですので、多額の融資は期待できません。
銀行融資は可能だけれども不利だという認識です。
金額を多く引き出したいのであれば担保の提供か保証人の用意が必要です。
不動産などの担保、もしくは親類などに頼んで保証人になってもらえないか相談してください。

ノンバンクからの借り入れ

ノンバンク

担保か保証人の用意ができないと個人事業主が銀行から融資を受けるのは実際難しいことが多いです。
その場合はノンバンクからの借り入れを検討できます。
利息は高くなりますが、銀行よりも融通の利く融資を受けられる可能性があります。
ノンバンクには第三者保証なしのプランがあり、こちらは代表者保証だけで借りられますが、金額は50万円程度と少額です。
担保プランが豊富なノンバンクが多く、不動産担保プランの他に動産担保プランなども提供しています。
自動車などを抵当に入れて融資を受けられることもあるので、保有する資産で担保提供できるものがあれば相談できます。

信用保証協会による制度融資

信用保証協会による制度融資

信用保証協会を利用することができれば、ノンバンクよりも金利が低い一般の銀行からでも融資を引き出せる可能性があります。
個人事業主は上述の通り一般の銀行からの借り入れは難しいことが多いですが、信用保証協会の公的な保証を取り付けられれば銀行の態度が軟化して融資を引き出しやすくなります。
利用するには保証料の支払いが必要ですが、自治体から保証料の一部を補填してもらえることもあります。万一返済ができなくなった時は保証協会が銀行に返済を肩代りしてくれますが、債務者の責任が消えるわけではなく、以後は保証協会が債権者となって取り立てを行います。
銀行、保証協会、自治体、債務者と関係者が多く審査などの手続きに時間がかかるので、急ぎのケースでは利用できません。

日本政策金融公庫の公的融資

公的融資

日本政策金融公庫は政府が100%出資する公的な金融機関で、事業者支援に特化した組織です。
銀行のように利益を追求しないので、低金利、無担保、無保証人で融資を受けられます。
個人事業主も対象になり、個人企業・小規模企業向けの一般貸付を利用できます。
公的な融資のため手続き的に細かく手間がかかるのが難点で、事業計画などもしっかり作成しないと融資を受けられません。
またこちらも審査に時間がかかるので急ぎの資金確保が必要なケースでは使えません。

クラウドファンディング

クラウドファンディング

個人事業者に限らず近年利用が急増しているクラウドファンディングも検討できます。
広く一般の個人や法人から小口の資金を集めることができ、集約してまとまった資金源にすることができます。
ただしどこにでもあるような事業内容では資金を集めるのは難しく、色々な意味で注目を集められる内容でないと機能しません。
他の企業が手を出していない最先端の取り組みや、地域の文化に深く根差した地域貢献につながるような事業、あるいは福祉的事業などでさらに地域性も掛け合わせた内容など、パット見て目を引く内容でなければ資金集めは成功しません。

ファクタリング

ファクタリング

手続きが煩雑だったり担保や保証人を求められるような融資と違い、ファクタリングは特別な条件なしに利用できます。
掛け取引をされている事業であれば必ず売掛債権が発生するので、これを現金化して事業資金とすることができます。
融資ではないので担保や保証人は必要なく、事業実績や信用などがなくとも全く問題ありません。
融資では必ず信用や実績を求められますが、ファクタリングは債権の譲渡取引ですからそうしたものは全く不要です。
例えば赤字があったり税金の滞納があっても売掛債権さえあれば利用可能です。
ファクタリング業者の中には個人事業主の利用を拒否する所もありますが、弊社は個人事業主の方でも売掛金の取引内容によっては利用できることがあるので、ぜひご相談頂ければと思います。

個人事業の借金は自己破産に直結

個人事業の借金は自己破産に直結

個人事業主が利用できる資金調達法をいくつか見てきましたが、クラウドファンディングとファクタリング以外は融資、つまり借金による資金調達になります。
個人事業は経営と個人の切り離しが無いので、事業上で生じた責任はすべて個人に直結します。
事業上の借り入れの返済義務も個人が直接責任を負うので、返済できない場合は自己破産につながります。
この点は大きな注意が必要です。
クラウドファンディングも基本的は返済の必要がないのですが、あえて返済の必要が生じる融資形態にすることも不可能ではないので、その場合は同じように返済義務に注意が必要です。
唯一ファクタリングだけは取引の根本が債権の譲渡取引ですから融資にはなり得ず、返済の義務は絶対に発生しません。
外部の資力に頼らず資金調達ができる利点があるので、返済義務を負いたくない人は検討してください。

まとめ

この回では個人事業主が利用できる資金調達法を横断的に見てきました。
融資方面では一般の銀行融資が難しい場合、ノンバンクや公的な資金調達法も検討できます。
ノンバンクは利息が高く付くので返済については焦げつきが生じないように十分な注意が必要です。
公的な融資は利用手続きに時間や手間がかかるので、急ぎの事案では対応できません。
クラウドファンディングも資金集めには数か月かかるので、資金ショートなど迅速な資金確保が必要な場面ではファクタリングを用いるのがベストです。