現代のビジネスパーソンは時間に追わることが多いと思います。
変化のスピードが格段に速まっている現代社会において時間管理は非常に大切になりますが、企業経営における時間管理は個人のそれとは違った難しさがあります。
組織の管理、部下の管理、取引先の管理など企業経営上では多方面で効率的な立ち回りが求められます。
この回では企業経営における時間管術やポイントについて見ていきたいと思います。
優先順位を設定する
経営者にとって重要なタスクを取捨選択し、優先順位を付ける能力は大変重要です。
組織をまとめる管理職は手持ちの仕事も多様となり、経営者ともなれば社内のあらゆる業務を網羅的に扱う立場ですから、目の前の多様な仕事に対し瞬時に優先順位を付けることができないと常に仕事に追われることになるでしょう。
短期的には新しいプロジェクトの立ち上げや重要なクライアントとの契約締結などを優先する必要があるでしょうし、長期的には企業の成長戦略や市場拡大の計画など、将来の成功に向けた取り組みも行う必要があります。
タスクの優先順位を設定する際には、重要度と緊急度を考慮することが大切だとされています。
スティーブン・コヴィーのビジネス書「7つの習慣」では、重要かつ緊急なタスクに集中する一方で、重要ではあるが緊急ではないタスクにも時間を割かなければならず、これには社内の人的資源を有効に活用することが求められるとされています。
戦略的計画や人材育成などは重要な課題ではありますが、基本的に緊急性はそれほど高くありません。
このような性質を持つ課題は必ずしも経営者が直接対応する必要はなく、社内のリソースに委任することができます。
信頼できるスタッフにタスクを任せることで、経営者が重要かつ緊急性を伴う分野に集中できる環境を整えられます。
適切な委任を行うためには以下のポイントを押さえる必要があります。
①スタッフの強みを把握
各スタッフの強みやスキルを理解し、それに基づいて適切なタスクを割り当てます。
②明確な指示を出す
タスクの目的や期待される成果を明確に伝え、必要なリソースを提供します。
③信頼とサポート
経営者としてスタッフに信頼を示しつつ、必要なサポートを提供することで、スタッフの自信と能力を引き出します。
④フィードバックの提供
タスクの進捗を定期的に確認し、フィードバックを提供することで、継続的な改善を促します。
タイムブロッキング
タイムブロッキングとは、特定の時間帯を特定のタスクに充てる時間管理術です。
経営者としての戦略的な思考が必要な作業、クリエイティブな作業、クライアントとのコミュニケーションなど、タスクの種類に応じて時間を割り当ててみましょう。
自分の集中力が最も高まる時間帯を把握していれば、その時間帯に最も重要なタスクを行えます。
朝の時間帯が最も集中できる人ならその時間に戦略的な思考を要するタスクを行います。
ポモドーロ・テクニックという手法もあり、これは25分間の集中作業の後に5分間の休憩を取るという時間管理法です。
このサイクルを繰り返すことで集中力を維持しやすくなるので試してみてください。
効果的なコミュニケーション
ミーティングは経営者にとって重要なコミュニケーションの手段ですが、効率的に行わないと時間の浪費につながります。
効率的なミーティングを実現するためのポイントは以下の通りです。
①アジェンダの明確化
ミーティングの目的や議題を事前に明確にして参加者と共有します。
「会議のための会議」にならないよう、ミーティングを行う目的を明確化することが大切です。
②時間制限の設定
ミーティングの時間を事前に設定し、必ず時間内に議題を終えるようにします。
定例のミーティングは時間短縮しやすいので、できるだけ短時間で終えられるように工夫しましょう。
③必要な参加者の選定
ミーティングに参加するべき人を選定し、必要な参加者だけを招集します。これにより、情報の共有が効率的に行われ、無駄な時間を削減できます。
④デジタルツールの活用
デジタルツールを活用することでコミュニケーションとタスク管理を効率化できます。
例えばタスク管理ではTrelloやAsana、Microsoft Plannerなどアプリがあり、タスクの進捗を可視化してチーム全体での共有が容易になります。
チャットツーとしてはSlackやMicrosoft Teamsなどがあり、リアルタイムでの情報共有やコミュニケーションが迅速かつ効率的に行えます。
ビデオ会議ツールとしては Zoomなどを活用することで遠隔地のチームメンバーやクライアントと効果的にコミュニケーションが取れます。
移動時間を削減しつつ、顔を見ながらのコミュニケーションが可能となるので優秀なツールです。
まとめ
この回では企業経営における時間管術やポイントについて見てきました。
経営者自身が心がけたいこととしては、自分以外の人的リソースを十分に活用し、仕事を任せるという意識をぜひ持ちたいものです。
そのためには信頼できる部下の育成という課題も出てくるかもしれません。
経営者が個人でできる時間管理術としてはポモドーロ・テクニックというものがあり、これは集中力が求められる仕事をする際に筆者自身も活用していて、お勧めできます。
最新のデジタルツールなども活用して、効率的な時間の使い方をぜひ意識してみましょう。