起業に臨む環境は人それぞれですが、もし時間的に余裕があるならば経営に役に立つ書籍を積極的に読んでおくことをお勧めします。
必要な情報はネットで収集する時代であるといっても、書籍にはネットでは収穫できない多くの知識やノウハウが詰まっています。
この回では起業を目指す人にぜひ読んでほしい本をいくつか紹介していきますので、参考にして頂ければ幸いです。

「小倉昌男 経営学」

小倉昌男 経営学

小倉氏は私たちが日ごろ通販のお買い物などでお世話になっているクロネコヤマトの宅急便を創設した方です。
当時、個人宅への配送は郵便事業者の独壇場と言える環境だったところ、民間事業者として果敢に挑戦し成功を収めました。
その成功を収めるための経営哲学が凝縮されています。

「起業を考えたら読む本」

起業を考えたら読む本

株式会社フリーウェイジャパンの代表を務める井上達也著の書籍です。
氏が経験した実際の難題をリアルに掲載し、これをどのようにして乗り越えたかが詳細に記されています。
現代経営者の実務書ともなり得る一冊です。

「小さな会社 儲けのルール」

小さな会社 儲けのルール

こちらは企業コンサルタントの竹田陽一氏と栢野克己氏の共著です。
日本はほとんどの企業が中小事業者であり、中小零細の事業者にとって大企業と同じような経営スタイルが必ずしも適切であるとは限りません。
本著は小さい会社がどのように儲けを生み出していけるのか、企業コンサルタントの目線で解説されています。
テクニカルな説明が多く、実務的なノウハウを得られます。

「起業成功ノート」

起業成功ノート

講演家としても知られる吉田雅紀氏の著で、「起業をしたいと考えているけれど、まだ一歩を踏み出す勇気がない」という人を後押ししてくれる内容となっています。
著者が経験した失敗の実例など、起業前に押さえておきたい情報やノウハウを得られます。

「起業の技術」

起業の技術

起業家を育成する事業を展開する浜口隆則氏の著です。
日本における経営者育成の環境が脆弱であることは知られており、氏はだからこそ経営を成功に導く知識やノウハウの伝授が必要だと説きます。
経営に必要な要素を12挙げ、それぞれについてワークシート形式で読者が落とし込んでいけるように配慮されています。

「マンガでやさしくわかる起業」

マンガでやさしくわかる起業

活字を読むのは疲れる、気軽に経営について勉強したいという人にお勧めできるのがこちらです。
居酒屋を始めたいと考える主人公が起業を一から体験するというストーリーで、難しいことを考えずに視覚的に楽しみながら読み進めることができます。
事業計画書の作成方法など実際の起業で求められる知識も得られますよ。

「永守流 経営とお金の原則」

永守流 経営とお金の原則

日本電産を作り上げた永守重信氏の著です。
財務と資金繰りの本質について氏の思いが徹底的に語られています。
氏にはコスト意識の徹底が基礎にあり、経営者が1円単位まで数字にこだわるべきと説きます。
普段はどんぶり勘定で細かいコスト意識が無いという人は、自分に活を入れるために一読をお勧めします。

「起業の失敗大全」

起業の失敗大全

サブタイトルが「スタートアップの成否を決める6つのパターン」ということで、本書は成功例ではなくあえて失敗例を集めて掲載するスタイルを取ります。
起業を考える身としては成功例ももちろん押さえたいですが、同じ轍を踏まないためには失敗例もできるだけ多く知っておきたいものです。
成功本で起業の意欲を高めつつ、失敗本を読むことで無用な失敗をしないように防御を固めるのも有効です。

「ビジネスの世界で生き残るための現場の会計思考」

ビジネスの世界で生き残るための現場の会計思考

企業会計の専門家である安本隆晴氏の著で、各種の数値を経営者目線でどのように捉え、設定するべきかといった実務的な内容になっています。
売値の決め方、値上げ時の価格転嫁の仕方など、かなり具体的な場面設定で語られています。
起業後に想定される課題に事前に準備しておきたい人にお勧めです。

まとめ

本章では起業を目指す人にぜひ読んでほしい本を紹介してきました。
起業意欲にあふれていても、あと一歩を踏み出せない、後押ししてくれる存在が欲しいという人は、ぜひ起業や経営に関する書籍を手に取ってみることをお勧めします。
書籍にはすでに成功を収めている経営実務家や各方面の専門家の知見が詰まっているので、本の値段以上の大きな対価を得ることができるでしょう。
通勤時間や就寝前など空いた時間を使えば時間的なロスも抑えられます。
ご自身の成功のためにぜひ一読をお勧めします。