誰もが経営者になるチャンスを有していますが、全ての人が経営で成功できるとは限りません。
むしろ成功できるのは一握りで、会社を立ち上げても上手くいかず倒産する率の方が高いとされています。
失敗を糧に再挑戦することはできますから後ろ向きに考える必要はないのですが、成功した経営者が持っている資質や、経営に必要な知識を事前に仕入れて失敗のリスクを減らす方が効率的です。
この回では経営者に向いている資質や経営に必要な知識について見ていきますので、参考になさってください。

経営者に向いている資質

経営者に向いている資質

まずは経営者に向いている資質から見ていきます。

①物事を論理的に考えられる

冷静な視点を持ち、物事を論理的に捉えて考えることができないと経営者として成功するのは難しいかもしれません。
問題が発生しても、その結果から原因を探り、望ましい解決策を模索していくには論理的思考が欠かせません。

②コミュニケーション能力が高い

一般の個人でも重要なことですが、社長職ともなれば個人の比ではない様々な付き合いが生じます。
社外では取引先や提携先と、社内ではビジネスパートナーや従業員と適切に付き合っていかないといけません。
相手を説得する、納得させる、あるいは共感させるなど人心にも通じるコミュニケーション力は経営者必須の能力です。

③リーダーシップがある

近年の従業員管理は増々難しくなってきていると言われます。
これには個人的なもの以外に社会情勢など様々な要因が絡んでいるので解決策を提示するのは簡単ではありません。
それでも、成功している会社は経営者が適切なリーダーシップを発揮して社員をまとめています。
パワハラ問題などもあるので昔のような強引な手法は禁忌です。
人間としての魅力を感じられる人物であれば自然と社員の心を掴むことができるでしょう。

④人の意見に聞く耳を持つ

トップダウン一辺倒で安定した成功を続けていけるのは昨今では特異な例と言って良いと思います。
現代の経営においては、同僚や部下の意見に聞く耳を持たないと上手くいかないことの方が多いです。
社長の同僚となる役員も同じ目的を共有する仲間ですし、部下の従業員もその目的を達成するために共に働く仲間であることに変わりありません。
相手の意見を聞く耳を持ち、問題があればこれを解決することで生産性を高めることができます。

⑤目先のことに捉われない

目先の利益を確保することはもちろん大切なことです。
社長としては短期目線での利益確保が重要な使命になる事は否定しません。
ただその利益を将来にわたって安定して確保できるかは、将来を見る目を社長がもっているかどうかにかかってきます。
先を見通す目を持ち、アンテナを高く張ることで将来にわたる利益をどのように確保していけるか、その道筋を模索することが経営者の任務です。
必要であれば業態転換を模索するなど、経営者として重要な決断が求められることもあります。

経営者に必要な知識

経営者に必要な知識

次は経営者に必要な知識面を見てみましょう。

①事業戦略上の知識

競業他社がいる中で自社としてどのように戦っていくのか、利益を確保していくのかという事業戦略上の知識です。
これにはまず自社の製品なりサービスなりの強みや弱点を正確に把握する必要があります。
その上で、他社との差別化を図るなどの工夫を行い、自社の強みとして発信していかなければなりません。

②マーケティング知識

対顧客の面では需要の掘り起こしなども含めてマーケティングが必要になります。
どんなに良い商品を作っても、それを需要層まで届けることができないと売ることができません。
お客さんが向こうからやってくる時代はとうの昔に終わっています。
現代では、目に見えない需要層をどうやって掘り起こし、そこに情報を届け、魅力を実感してもらうのか、商品やサービスを売る側が能動的に動ないと商売が成立しなくなっています。
一般的なWEBサイトを保有するのは最低限必要として、並行してSNSマーケティングなども進めないと効果的な事業展開はできません。
こちら方面のテクニカルな課題に対しては、その道の専門家にアドバイスをもらうのが手っ取り早いかもしれません。

③会計方面の知識

苦手としている人が多いと言われるのが会計に関する知識です。
会計知識はそれ自体が儲けを生み出すわけではないため、興味を持ちづらいというのは分かります。
ただ会計知識があれば節税によって利益の最大化を図ることができますし、決算書を正しく理解して自社の置かれた状況を正確に把握することができます。
これにより、事業戦略の設定や見直しなども適切に行えるようになりますから、最低限の会計知識は持っておきたいものです。

④法律関連の知識

一般法となる民法の他、特別法となる下請法などの取引関連法、労働基準法などの労働関連法、税法などの法律関連の知識も最低限押さえておくべきです。
法律の条文そのものを暗記するような勉強である必要はないので、ルールとして現場のビジネスどのように作用しているのかといったザックリとした内容を捉えておきましょう。
疑義が生じた時やトラブルになった時には専門家に聞けばよいので、社長が専門知識を細部まで覚える必要はありません。
それでも前提となる知識ベースがあると無いとではかなり違うので、経営層の勉強会などで法律関連の内容があれば積極的に参加してみましょう。

まとめ

この回では経営者に向いている資質や必要な知識について見てきました。
知識については勉強会などで吸収することができるので、機会があれば積極的に参加してください。
資質については持って生まれた部分もありますが、意識して生活する、あるいは訓練をすることで後天的に身に着けることもできます。
すでに社長職に就いている人はもちろん、これから経営者を目指す人もぜひ意識してみてください。